SNSでの呼びかけで一気に広まりテレビや新聞などにも取り上げられ、「包丁砥ぎ少年」として有名になった河本陽向君(塩屋北小6年)
今回、別の取材で訪れたシオヤチョコレートさんで、仕事帰りに立ち寄った陽向君とばったり遭遇し、話を聞くことができた。
幼いころから自然の中で生活にあこがれていた陽向君。
小学5年生の去年、長野県に1年間の山村留学を果たした。
テレビやゲームのないことはもちろん、自分たちの使う食器、箸などすべて手づくり。
木工、陶芸、畑仕事…。10歳から14歳までの20名の山村留学生たちと共同生活を送りながら、身につけていった。
そこで学んだことが「道具を大切にすること」。
小刀やナタ、包丁など日常で使う道具の手入れの仕方を教えてもらった。
3月に神戸に戻り、学んだ技を披露したいと思った矢先のコロナ禍での緊急事態宣言による外出制限。
家の包丁砥ぎをしたところ、母がとても喜んでくれたことをきっかけに、「たくさんの人の役に立てたら」と近所の包丁砥ぎをすることに。
コロナ禍で、家で料理をする機会が増え包丁砥ぎは大人気に。
「コツは一定の角度を保って砥ぐこと。そうでないと切れ味が悪くなるから」
メディアに取り上げられたことで、陽向君のもとには、北は北海道から南は鹿児島まで各地から包丁が送られてくる日々。
4月に100本を目標にしていた包丁砥ぎをあっという間にクリアし、次の目標の500本もすぐに達成しそうな勢いだ。(7月8日現在419本)
全国から届くお礼の手紙、「ありがとう」の笑顔が何よりうれしいと陽向君。
新聞記事によって思わぬ出会いも
京都で長年砥ぎ師をしていた人が垂水に移住したタイミングで陽向君の新聞記事を見て、訪ねてくれた。
陽向君の丁寧な仕事ぶりに感心し「師匠にして」と、アドバイスを申し出た。
今も週1回程度の交流が続いている。
将来は冒険家と包丁砥ぎ師になりたい。と陽向君。
無邪気な笑顔の中に、芯の強さが光っていた。
包丁砥ぎの依頼・問い合わせは
nao87wo@gmail.com
instagram:hinata.qta
(2020年7現在) (大道)