「皆さん、こんにちは」「ぼく、何歳か分かる?」
相方のユリ男くん(5歳)と元気にあいさつをして、軽快なトークが始まる。
吉川卓磨さん(22)が腹話術を始めたのは、2012年11月。もともとお笑いが好きという吉川さんは、テレビで腹話術師のいっこく堂さんの時間差芸(口の動きの少し後に声が遅れて聞こえる芸)を観て真似をしていたのをきっかけに、全日本あすなろ腹話術協会に入会した。
腹話術はなるべく口・唇・顎の筋肉を動かさないでしゃべるため、唇をいったん閉じないと発音できないマ行、バ行、パ行といった動唇音(破裂音)を使うのは難しい。それだけに、技術の習得にはかなり個人差がある。
←トークの間中、瞬きをしたり、首を動かしたり。ユリ男君が本当に話しているように見える。
吉川さんは腹話術教室で先輩たちの前でネタを披露し、アドバイスを受けて少しずつ腕を磨き「上達するには場数を踏むしかない」と習い始めてわずか半年ほどで相方ユリ男君を連れて、ボランティアで老人ホームなどを回るようになった。
現在岡山の大学に在学中の吉川さんは、岡山のローカル番組にも出演し、その中でアイドルグループNMB48のメンバーの高野祐衣さんが、自らのヒット曲「僕らのユリイカ」から、相方に「ユリ男」と名付けてくれた。
「自分たちのトークを見て涙を流して笑ってくれた時が、なによりうれしかった」と吉川さん。年配者が多い腹話術師の中で、吉川さんはのような若手は珍しい。
大学4回生の吉川さんはすでに就職が決まっているが、面接の場で特技として腹話術を披露して好評を得るなど、就職活動にも大いに役立ったという。
「瞬時に場の雰囲気を読んで、その場が1つなるようなトークができるようになりたい」
今、吉川さんが目指しているのはR-1グランプリ(ピン芸人コンクール)出場。
1次予選突破が目標、と控えめだが、ユリ男君との息はぴったり。
次は二人のどんなやりとりが聞けるのか楽しみだ。
【出張腹話術、受付中】
2014年4月の就職までの期間限定で、ボランティアで腹話術を披露させてもらえる場を募集中。(老人ホームや子供会など)
問い合わせ:080-5716-3340吉川卓磨さん
(2013年9月現在) (大道)
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