「デフサッカー」、聞いたことがありますか?
サッカーは人気スポーツだけど・・・?

則末 遼斗さん
「deaf」とは、英語で「聞こえない人、聞こえにくい人」という意味だそうで、聴覚障がいのある選手がプレーするサッカー競技のこと。基本的なルールや、コートなどは、サッカーと同じだが、競技中は補聴器を外すことが義務付けられ、「音のないサッカー」とも呼ばれる。
あまり人に知られていないこの競技を大勢の人に知ってもらい、応援してもらえるような競技にしたいとがんばっているのは、今年大学三回生になる則末遼斗さん。
則末さんは生まれつき、補聴器をつけないと全く何も聞こえない重い聴覚障がいを持っている。
幼少期は神戸聴覚特別支援学校に通ったが、小学校からは地元の学校へ。
普段は周りと口話でコミュニケーションを取るため、相手の口の動きを読み取る読唇術を活用しているが、困るのはマスクをしている人と話すときや、大人数の時に話に参加できないことだという。
そんな中でも、子供の頃からサッカーが大好きで、中学までは地元のサッカークラブ、高校ではサッカー部に所属、普通にみんなとサッカーを楽しんできた。
「デフサッカー」を知ったのは中学2年生の時。
父に「デフスポーツ」イベントに連れて行ってもらったのがきっかけだった。
「サッカーは、ゴールを決めた時や、そしてシュートを止めた時、試合に勝ったその瞬間、試合に出る出ないにかかわらずチームみんなで喜び、その歓声を肌で感じることができるのがいいです」と則末さん。
「一方、デフサッカーの魅力は、チームとしての攻め方、守り方など、戦い方のイメージ共有がより明確なところ」。
試合中に伝えたいことが伝えられないので、試合前に全体ミーティングなどを行い、チーム戦術、試合中の要求など、細かい部分まで確かめて試合に臨むという面で、試合に対するイメージ共有がより明確で、組織的に動くところが魅力だという。
それぞれの良さを、どちらも知っているからこそ、あまり知られていない「デフサッカーの魅力」を伝え、たくさんの人から応援してもらえる環境を作っていきたい。
「たくさんの人に知ってもらうためには、まず日頃からのトレーニングに力を入れ、しっかり本領発揮できるように努力が必要」、
試合で成果をだし、それに準じて知名度を上げる活動や、講演などもしていきたいと未来に向かって大きな夢を持つ。
今年、2025年11月には、日本で初のデフリンピックが開催される。
デフサッカーは福島県のJヴィレッジで行われるそう。
パラリンピックは知名度があるが、デフリンピックを知る人は少ない。
初の自国開催ということもあり、各競技選手の多くがデフリンピック金メダルを獲るために日々がんばっているという。
開催まであと数ヶ月だが、則末さんはデフサッカーの日本代表に最年少で選出され、晴れの大会に出場することに。4月2日には、にサッカーの聖地である国立記念競技場で、クリアソン新宿とエキシビションマッチをすることが決定、
「たくさんの応援を背に、現地に駆けつけてくださる方々に熱い試合を魅せたい、『世界一』という目標に向かって、突き進んでいくので、たくさんの応援よろしくお願いします」。
世界に進出する選手が、垂水からでるのも、まもなくかも。
(2025年3月) (堀)