閑静な住宅街に、突然の行列。
2019年12月、プレオープンが行われた「塩屋SCONE(スコーン)」。
並んでいるのは、ほとんどが子ども連れの若いお母さんたち。
オーナーは、自身も3人の子育て真っ最中の、石川友香さん。
「この辺りはお店も少なくて」、
子どもに食べさせるパンやお菓子にも、ちょっと不便を感じていた。
友香さんは独身時代、語学留学でイギリスへ。
その時、語学の勉強とは別に、興味のあった料理教室にも通った。
そこで出会ったのが、イギリスのティータイムの定番、スコーン。
あのスコーンなら、パンの代わりにも、お菓子の代わりにもなるのでは。
子どものおやつとして焼き始め、ママ友や知人に贈っているうちに、やがて評判に。
「子育てで仕事もできず、社会から取り残された気持ち」が、
スコーンを作ったり、贈ったりすることで和らいだ。
やがて、同世代が多いこのあたりに、安心して子供に食べさせることができるお菓子のお店があればとの思いから同店を開店、
玄関横の店舗は、友香さんの意見を聞きながら、夫の哲平さんがDIYでかなりの時間をかけて作ってくれたそう。
メニューはスコーンのみだが、主原料の小麦粉はいろいろ試した結果、北海道産を使用、
「この小麦粉に出会って、求めていたふわふわ食感がしっかり作れる」と友香さん。
ミネラルの多いきび砂糖、バター、牛乳、卵、ベーキングパウダーなど、厳選した自然素材のみで作る。
スコーンは、他の焼き菓子に比べ、砂糖やバターが少なくカロリーは控えめだが、歯ごたえがしっかりあって、食事やデザート、おやつとしてオールマイティ。
メニューは6種類で、プレーン150円。
おから、チョコは、各160円。
紅茶、チョコチップ、各180円。
抹茶チョコ、本日のスペシャル、各200円。
おからは生おからを使用、見た目はプレーンと似ているが、もちもち感があって日本人好み。
「できたきっかけは、子どもたちに少しでも多くのたんぱく質をとって欲しかったから」。
また、おからは食物繊維も多く、便秘やダイエット中の大人にもおすすめだとか。
「育ち盛りの子供にはスナック菓子ばかりでなく、しっかりとパワーになるものを食べてほしい」、
3人の男の子を持つ母としての願いが形に。
「今は子育て真っ最中ですが、ゆくゆくはスコーンを基本にいろいろ考えていきたい」。
子供の成長と一緒に、店がどのように成長していくか楽しみだ。
【Data】
垂水区塩屋町7-8-11
営業時間 10:00~13:00
営業日 火・金・土(第3土曜は休み)
インスタグラム shioyascone