2017年 イカナゴ事情②

いかなご事情20173 いかなご事情20171 170317 イカナゴ03
3月7日に解禁されたイカナゴ、
12日目の今日、神戸(垂水)と大阪は漁が終了だそう。
休日や荒天候の休漁もあって、売られたのは実質1週間ちょっと。
しかも雑魚が入っていたり、大きさが揃っていなかったものも多かったみたいです。
明石も木曜に早々終了したとか。
後は、淡路と姫路がまだ少し続けるようです。
170317 イカナゴ01
あまりに水揚げが悪いからでしょうか。
炊くイカナゴが少なくて、着ザラの在庫が余っているのか、ちょくちょく安売りをしています

姫路市の坊勢(ぼうぜ)は、今日開催予定だった「いかなご祭り」を中止。
必要な量を確保できないということで、苦渋の決断だったよう。
最近は坊勢の水揚げがいいと聴いていたのですが(垂水にも入っていた)、
もう全体的に、いなくなっているのでしょうか。
私が同居の姑から教わって引き継いだころ、
垂水駅周辺には魚屋が10軒近くあり、イカナゴがあがってくるのを待って、
届いたらすぐ買って、タクシーやバスで帰宅。
新鮮が身上、それからは戦争のように炊きました。
姑はママ友の漁師の奥さんに教わったそう。

垂水では午前中、ガスの出力が悪くなるといわれたほど。
ただ炊く人はその頃それほどおらず、魚屋の店頭で1キロ(できあがりで500グラム前後)、
3000円ほどで売っているのを買う人も多かったと思います。
実際炊いたうちの10キロほどは、ご近所からの依頼でした。
神戸以外に送ると「ちりめんじゃこの佃煮、おいしかったです」と返信来るほど、「イカナゴ」の知名度なし。

爆発的に炊く人が増えたのは、阪神淡路大震災や淡路の花博で、
メディアに取り上げられるようになってから。
さまざまな味付けの調理法が出回り、このころから「イカナゴ狂騒曲」に。
漁獲量はどんどん減るのに反比例して、数時間も並ばないと買えない状況が続きました。
温暖化やえさ不足など、いろいろ原因が言われていますが、このころの乱獲も、一つの原因ではないかと思います。
姑のお気に入りだった廉売市場の「魚力」、イカナゴの季節には、
黄ザラ1キロを3つに分けたお手製の「イカナゴ用黄ザラ」を売っていて、
姑はそれを1つだけ、炊き始めに買い、その年はその袋で律儀に計っていました。
あちこちの魚屋の店頭では、次々運び込まれるイカナゴを見ることができました。
人それぞれの思いがあるだろうイカナゴ、
半世紀炊いてきた我が家のイカナゴ、
私は庶民の味というこだわりがあるので、高価な今年のイカナゴは炊くのをあきらめました。
初めてのことです。
寂しいですが、これも時代の流れですね。
フルセもほとんど店頭に並ばないですが、親を獲るのを自粛しているそう。
フルセのくぎ煮はもうまぼろしなのかなぁ。
来年からの復活を願いつつ、大半が私事で失礼しました。
(2017年3月18日)          (堀)
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