生まれたばかりの赤ちゃんの写真を撮り続けて20年、
その中で知った命の大切さ、重さを社会に向かって訴え続けるカメラマンがいる。
塩屋駅近くで「スタジオチーズ フォト&ギャラリー」を開く酒本和範さん。
子供のころからカメラに興味を持ち、勉強していくうちに、
作例で目にする外国の家族写真に惹かれた。
毎年自宅にカメラマンを呼んでの撮影は、その家族の時間の流れをゆるやかに写し取っていた、
「30年後に取り出してみて、その時を思い出せる写真を撮りたい」。
同スタジオをオープンして間もなく、産院からの要望で始めた新生児の撮影は、
その思いを決定的なものにした。
「初めは撮影時ストロボをたくので、新生児への影響を考えて断りました」と酒本さん。
産院の医師から「残念なことに亡くなる子もいる。親の都合で施設に預けられる子も。
でも生まれたこの時はみんな一緒、将来のために撮ってほしい」と告げられ、
新生児専用のカメラを考案、引き受けることに。
カメラマンとしてのこだわりから、デジタル使用は一切なし、
フイルムだから出せる、微妙な色合いや陰影を見極める。
現在のカメラは改良を重ねて、17代目。
撮り始めてから2年後には「1000人の赤ちゃん展」を開催し、大評判になった。
「100人だと親は自分の子を見つける、でも1000人になると無理」
だから1000人にこだわる。
赤ちゃんの写真展が、テレビなどのメディアに取り上げられ、
全国から同写真展の要請が来るようになったが、
様々な出会いがある中で、
子供を産む母親の母性はもちろんのこと、
では子供を産めない男の役割は?
自身も父親として、女性をサポートして「いのち」を大切に育むこと、
そう思い至ったとき、この活動に新たな意義が加わった。
「たくさんの過去が、赤ちゃんという一点で集約し、
そこからまた無限の未来に広がっていく」
命の大切さを実感した。
ポートレートばかりではなく、花や虫などの命あるものも被写体に。
イラストのような繊細な作品はフイルム写真の計算された技術ならでは
昨年、その考えに共感した周りの協力者たちと、
「生まれたての赤ちゃん1000人の写真と廻る命の強さと大切さを伝えるプロジェクト」
を立ち上げた。
1000人の赤ちゃんの表情はみなちがうのに、
でも無邪気に未来を見つめているのは一緒、
「子どもの時に、命の大切さを感じてほしい」と酒本さん。
同写真展開催の希望があれば受けるとのこと。
特に小学校でぜひ。
【問い合わせ】
垂水区塩屋町1丁目994-6
電話 078-752-4088
e-mail sakemotokazunori@ybb.ne.jp
(2016年7月現在) (堀)
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