垂水日向遺跡の発掘調査現場を公開~神田町

7月22日(土)13時から15時にかけて、神田町(旧垂水廉売市場)の日向遺跡発掘調査現場で、現地説明会が開催された。
垂水日向遺跡は、現在の垂水駅の北側一帯に拡がる東西約600m、南北340mの規模を持つ縄文時代から中世にかけての遺跡。

今回は44回目の発掘調査の一部を公開、学芸員による説明が行われた。
(神戸市文化スポーツ局文化財課の資料より一部抜粋)
梅雨明けの炎天下の中多くの人が訪れ、公開された遺構を観、学芸員のさまざまな話に聞き入った。
2021年晩秋に行われた、垂水小学校校舎建て替えの発掘調査で確認された屋敷跡などと同時代の平安後期の堀に囲まれた屋敷跡が確認され、この堀の外側には建物跡はほとんど見つかっていないことから、堀が屋敷地を区画する役割を果たしていたと考えられる。
 
堀は海方向に向かって、ゆるい傾斜があり、ぬかるんだ土地で水はけも考えていたのではという説明に、参加した人たちは先人の知恵に驚いていた。

白磁が見つかったところ

石硯、墨書土器(ばくしょどき)、須恵器椀、瓦器椀など、日常の暮らしに使われていた高級品も出土、垂水日向遺跡に平安時代の有力者が暮らしていたと考えられる。
   
学芸員の話によると、堀を調べると平安時代は少しずつ自然に堆積した跡がみられるが、鎌倉時代に大量な蓄積があり、更地にしたような形跡があるとのこと。
歴史的な事実は分からないものの、ひとつ、ひとつ、このような謎をみ解いていくのが、歴史好きの醍醐味かも。

今回は発掘調査の説明だけではなく、発掘している様子なども合わせて公開、
現場を少しずつ掘り下げていく作業も見ることができて、参加者は興味津々で、その作業を見守った。
(2023年7月)      (堀)

 

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