高齢者や障がい者と、地域の人たちのふれあいの拠点として、1999年に誕生した「星丘ホーム(代表 徳岡八重子さん)」が、20周年を迎えた。
今年2月16日(日)には垂水勤労センター(レバンテホール)で、「星が丘ホーム20周年記念」イベントが開催される(体験者やボランティア募集あり、詳細は文末掲載のチラシ4枚を参照)。
1995年の阪神淡路大震災で、日本に根付いたといわれる災害ボランティア。
言葉にするのは簡単だが、実際ボランティア活動に携わってみると、
「もっとこんな方法もあったのでは」
「人の役に立つためには、どんなことが必要なのだろう」、
問題点もいろいろ見えてくる。
同震災の仮設住宅で、住まいの大切さを実感した住人やボランティアの人たちが中心となって、元気な人だけでなく、さまざまな人が安心して暮らせる場、また交流の場として、グループホーム建設に取り組むことに。
当時の日本では、まだ「グループホーム」という名すら、ほとんど知る人がいない中で、支援者を探したり、96年から全国的な募金活動を始めるなどして、試行錯誤を重ね、1999年に完成した。
それから20年、現在では特別養護老人ホームとして、またデイサービスやショートステイ、自宅で受ける訪問介護や介護予防訪問介護(ホームヘルプサービス)、自立を図ることを目的とした生活訓練など、多岐にわたる活動を行う。
「介助が必要といっても、人によって千差万別、ひとくくりにはできないから」と、徳岡さん、「その人に合ったやり方を模索しながら、お手伝いする」。
取材時も、どうしても外に行きたい利用者を、止めるのではなく笑顔で話しかけながら皆がくつろぐ居間に時間をかけて誘導、その後、穏やかにティータイム。
決まった時間に迎えに来て、決められたスケジュールを経て帰宅、というのではなく、利用者に合わせた時間で、すべてが進行する。
「家族にしかできないこともありますが、家族にはできないことのお手伝いを我々が」。
同ホームでは、スタッフも有償、無償のボランティア。
利用者と同じく、それぞれの生活に合わせてシフトが組まれる。
「人は生きがいや達成感で、心身の回復ができます」。
利用者ができる作業を見つけて、それをやり遂げるサポートをスタッフが。
月ごとに壁面制作を実施、テーマを決めて、自分にできることを探す。
家にこもりがちな人には、スタッフが出向いて自発的に同ホームに通う気持ちを導く。
家族同伴のイベントや旅行などを企画して、利用者だけでなく、家族とのコミュニケーションをとりながら、大きな家族のように寄り添う。
そして食事はずべて無農薬野菜中心で手作り。
体調が悪いと、1日3度の食事が苦痛になる人もいるが、楽しく食べてもらいたいという思いから。
また、時には『看取り』もあるが、グリーフケア(死別で心身などに不調をきたすことへのケア)などにも力を入れる。
現在利用者は20名、スタッフは40名ほど。
利用者はほとんどが口コミなのだとか。
これまで「誰も見捨てない」精神で取り組んできた。
最近では「スラックライン(綱渡り)」を使った脳幹バランスや、アロマオイルを使った「アロマタッチテクニック」なども取り入れている。
どちらも「見守り」に終わらず、元気に暮らせるようにとの積極的なアプローチだ。
「介助は笑顔が一番大事。新しいスタッフにも『いつも笑顔で』と最初に言います」、
ホームのお母さんとして、利用者だけでなくスタッフも見守る徳岡さん、
いつもステキな、満面の笑みがトレードマーク。
そこにいるだけで安心できる。
「笑顔」は、われわれの普段の生活の中でも一番大切なものかもしれない。
【Data】
垂水区星が丘3-2-23
電話&FAX 078-708-3244
(2020年2月現在) (堀)