新年度の入園・入学の準備にワクワク、ドキドキの時期。一方で、保育園に入れないことで、職場復帰、再就職が思うように進まずハラハラ不安な日々を送っている家庭が多いのもの現状だ。待機児童の9割を占めるといわれる0~2歳児の保育を担う神戸市地域型保育の1つ家庭的保育事業(※)赤ちゃんホームMoi moi を訪ねた。
※家庭的保育事業とは、保育者の居宅、その他の場所で行われる、小規模の異年齢保育。2015年施行の子ども・子育て支援制度では、「地域型保育給付」の対象となる地域型保育事業の1つとして、地域に密着した小規模な保育を担っている。(NPO法人家庭的保育全国連絡協議会HPより) 家庭的保育事業では、生後7週間目から3歳未満の子どもを保育する。
赤ちゃんホームMoi moiの代表、林まさ代さんは、「保育士さんと結婚したかった」という夫の言葉に触発され、保育士の資格を取得したのが子育てがひと段落した50歳のとき。「自宅で仕事ができる」と家庭的保育事業を始めることを決意した。「重責すぎる」と反対する夫や母を説得し、自宅ではやし赤ちゃんホームを開業。紆余曲折を経て2018年10月に海岸通のマンションの1室に移転、名称を赤ちゃんホームMoi moiと改め、新たなスタートを切った。
行政が支援体制を整備する家庭的保育では、法改正などによって現場の想いが届かないことも多く、歯がゆい思いをすることもしばしばだという。規制も多く緊張を強いられる毎日。それでも続けてこられたのは、「一番成長著しい年代の子ども達の成長をいつも間近で見ていられるのが何よりうれしいから」と林さん。忙しい時間をやりくりして、保育に関する様々な勉強会にも積極的に参加し「学んだことをすぐに、現場で活かせるのが嬉しい」と目を輝かせる。
おもちゃいっぱいの明るい保育室
将来的には様々な国の子ども達も受け入れていきたい。と毎日少しずつ、これまでに学んだことのない外国語を聞く練習をしているという。
現在在籍しているのは3歳児3人、1歳児1人。(来年度も4人の在園が既に決まっている)林さんのほか、常駐の保育士さんが1名、そのほかにもリトミックや読み聞かせをするスタッフもおり、行き届いた環境で子ども達を見守っている。
ねむ~くなった子どもをトントンしてあやす保育士さん
Moi moi(モイモイ)とは、フィンランド語で、親しい間柄での挨拶 「こんにちは、またね」にあたる。
林さんの想いが少しずつカタチになっていく赤ちゃんホームMoimoi。
今度訪ねた時には日本語以外の言葉が飛び交っているかもしれない。
・赤ちゃんカフェ毎週木曜11時~ (予約不要)
地域の親子ならだれでも自由に参加できる赤ちゃんカフェを開催(マイカップ持参のこと)
・見学など問い合わせは、区の子育て支援課へ
【Data】
垂水区海岸通3‐10ジュネス101号
電話:078-707-4430/090-3971-1681
Email hayashihomu@gmail.com
(2019年2月現在) (大道)
子どもは国に関係なく、愛情をたっぷり受けて元気に育ってほしい。