垂水の海神社


地元の神様として、垂水では初詣にお参りする方も多いでしょう。
でもこの海神社、実はとても由緒のある神社で、平安時代中期に編纂された「延喜式」に載っており、神功皇后が三韓出征から帰国の途中、垂水沖で暴風に遭い、上津、中津、底津綿津見三神に祈ったところ、嵐は収まり、無事通過することができたので、ここに祀られたといわれています。
江戸時代に、日向大明神と称し「ひゅうがはん」の名で親しまれていましたが、明治時代に官幣中社として「海神社」に復称され現在に至っています。
鳥居の横に「官幣中社」と刻まれた石柱が建っています。
ちなみに兵庫県で「官幣大社」は西宮の廣田神社と淡路にある伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)の二社、「官幣中社」は、生田神社、長田神社、そして海神社の三社です。

国道2号線をはさんで、大きく見える赤い鳥居、「浜の鳥居」は案外新しいもので、1957年(昭和32年)に建てられたもの。安芸の宮島と同じ両部鳥居で高さ12m、当時この辺りは砂浜でした。
海からもはっきり見えるので、船の航行の目印になったとも。扁額が海側からが「海神社」、陸側からみると「綿津見神社」。一般的には「かいじんじゃ」と呼ばれていますが、「わたつみじんじゃ」が御祭神名。

大祭である秋祭り、10月10日~12日をはじめ、初ゑびす(とんど祭)、節分祭、夏祭(茅の輪くぐり)、七五三神事など、数々の祭祀、儀式が行われています。
また、ここの狛犬は子持ち獅子です。嘉永4年8月(1851年)と台座にあります。
子宝に恵まれるよう奉納されたのでしょうか。
近寄ってじっくり眺めると、お父さん、お母さんがわかります。
訪れた時、見てください。
(2016年10月)  (堀)

 

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