平磯緑地をよく散歩する人も、ここにある垂水処理場という言葉は聞いて知っていても、
いったいどんな施設で、どのようなことをしているのか案外しらないのでは。
今回は機会があったので取材させてもらった。
平磯の埋め立て地に一番最初に完成したのは、現在垂水年金会館とその駐車場がある部分の地下、
上の図の一番左の部分(西側)で、1974年(昭和49年)に運転開始された分場と呼ばれる施設。
続いて本場1系・2系と呼ばれる部分で、1983年(昭和58年)に稼働を始めた。
いずれも、西側から汚水を取り込み、さまざまな処理が施され、
東側の最終場所で、浄化された水のほとんどが海に放流される。
①スクリーン・・・大きなゴミ(空き缶・草木・石など)をまず取り除く。
この下を水がゆっくり送られている。
②沈砂池・・・砂をとりのぞく。
③分水槽・・・送る水を調整し、
④最初沈殿池・・・汚水をゆっくり流し、生汚泥を沈殿させる。
流れのはじめの頃は濁っていた水も、終わりの方では澄んだ水に、
⑤生物反応槽・・・空気を吹き込み、微生物の働きで汚れを分解
太いパイプは微生物を活性させるための空気を送るもの。
⑥最終沈殿池・・・汚泥を沈殿させ、上澄みの水は放流、残ったものを余剰汚泥として処理。
⑦塩素混和池・・・きれいな水に次亜塩素ソーダを加えて消毒、海へ放流。
最終段階まで、ほぼ17時間かかるそう。
施設は24時間稼働しているが、朝、夕の水回りを多く使う時間は一挙に汚水が増えるので、
③の調整が必要とのこと。
施設の説明板。こういうものが随所にありわかりやすく説明している。
「雨が続いた久しぶりの晴れ間の時は、大量に流れてきます」と、職員の方、
溜まった洗濯を一挙にする家が多いなど、我々の生活の一端が顕著にわかるそうだ。
地下の施設から、今度は地上へ。
次に2011年(平成23年)に稼働を始めた東系の見学。
東系は上記の施設を、最新技術によりパワーアップしたものにくわえ、
「こうべWエコ発電プロジェクト」として、現在注目されている施設。
最初沈殿池の生汚泥と、最終沈殿池の余剰汚泥を濃縮、、
約40度の温度に保たれた消化タンクで、汚泥中の有機物を微生物により、
消化ガスと水に分解、汚泥の量を減らすことができる。
汚泥消化タンク・・・熱を一定に保つため、効率いい形ということで卵型をしているそう。
消化ガスは精製設備でメタンガス(98%)を精製、
そびえているのが消化ガス精製設備
それを利用して、電気を発生させ、処理場で使用する電力の一部に。
ガス発電装置
また発生した熱は消化タンクの熱源として利用される。
残った汚泥は処理され、そのうちの20%はレンガなどに再利用される。
製品となったレンガの一部
ちなみに平磯緑地内のレンガはすべて再生利用品。
一方、処理施設上の広大な余剰地には、太陽光発電版が設置され、
年間2000万キロワットの電力を生み出しているそうだ。
バイオガスの発電は年間250万キロワットとのこと。
神戸では、阪神淡路大震災の教訓を得て、
神戸市内の処理場を、「下水道ネットワーク」でつないでいる。
現在、施設の老朽化や諸問題で再建を断念した、中央区の一部の処理を東系で担当している。
なお、見学希望があればできればグループで。
神戸市建設局西水環境センター
神戸市垂水区平磯1丁目1-65
電話 078-752-5017 (2014年8月現在) (堀)
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