園芸療法を取り入れた知的障害を持つ人たちの小規模作業所として、「プレゼントガーデン」は97年5月にスタートした。
代表の高野喜恵さんは、植物と関わることで自らが癒された経験を持ち、土を耕したり、草花を育てる過程を通して、心と体が癒される園芸療法に早くから注目した。
作業所の利用メンバーは現在11人。高野さんやスタッフと一緒に土を整えたり、種の植え付けをしたりと忙しいが、それと並行して99年からインドネシアの楽器、アンクルンの練習にも取り組んでいる。
アンクルンは竹の楽器で、一つが1音、大小で4オクターブの音域を奏でることができる。
きっかけは高野さんが演奏会で聴いたこの楽器の温かみのある音色に惹かれたこと。また1人1音で演奏ができることから、音楽療法の可能性に気付いた。
人との協調が苦手な彼らだが、「音をつないできれいな曲にしようと努力するようになりました」と高野さん。今では数々の福祉フェスティバルや、施設、老人大学などで演奏会を開いたり、ワークショップを行うなど、活動の場が広がっている。
また第13回神戸まちなみ緑化コンクールにおいて、皆で作り上げた庭が同緑化部門神戸市会議長賞を受賞し、日ごろの園芸活動にも成果が認められた。
庭は花が咲き誇り、思わず足を止めて見入る通りがかりの人も。
4月から6月と、10月から12月頃の作付時期には、皆で作った苗などを庭先で販売するなど、地域の人との交流も広がっている。
大きな舞台で演奏をという長年の高野さんの夢が実り、来年の5月11日に神戸文化ホール中ホールでの演奏会が決定し、今はそれに向けてみんなで練習している。
(2012年5月) (堀)
【Data】
垂水区南多聞台1丁目5-11
電話&FAX 078-785-1539
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