6月29日の日曜日、旧木下家住宅で七夕イベントの一環として、苔玉作り が行われた。
茶色のミズゴケで根の周りを覆い、さらにハイゴケでその周りを覆う。
糸で固定してでき上がり。
苔は日本では古来より和歌に詠まれたり、盆栽に利用されたりと身近な存在。
苔玉は、植物の根を土で包み球状にしたものに、苔を貼り、糸で留めて仕上げる。
見た目がとてもかわいらしく、最近ではおしゃれなインテリアとして人気上昇中だという。
今回、木下家でこのイベントが開かれたきっかけは、同家の庭に植えられているイロハモミジ。
一年を通じて、新緑や、緑陰、紅葉など変化ある彩りを添えている、同家庭園の顔のような存在だが、
年2回行われている、樹木医の講習会の折、イロハモミジの興味深い話しがあった。
それは、その木の種から育つ若木が、親木の下では育たないということ。
旧木下家のイロハモミジと苔玉
遠くへ飛んだ種は成長できるが、
親木の生育に悪影響のある周辺では、親木が自ら子の木を枯らすのだという。
講習に参加していた、舞子公園案内ガイドの喜好恵子さんはそれを不憫に思い、
若木をポットに移植して、生き残れる道を考えていた。
スタッフの一人が、苔玉を作ってみたいと言い出したのはちょうどそんなとき。
イロハモミジを使った苔玉作り、というイベントの話があっという間にまとまった。
この日集まった参加者は、イロハモミジを主に、身近に育つ木や草を使って、
土を使わない、苔だけで作る苔玉に挑戦した。
思いのまま、楽しみながら自分の苔玉を作る参加者。
各々、喜好さんの指導で2~3個作ったあと、スタッフが用意したスイカや短冊のかわいい飾りを付けて仕上げ。
ちょっとした七夕の季節飾りが出来上がった。
「もっと難しいのかと思っていたけど、意外に自由に作れて楽しかった」。
「木下家の雰囲気に苔玉がぴったり、これからも続けてほしい」と、参加者は大満足。
講師の喜好さんは、
「教えるというのではなく、みんなで楽しく作れたらいいなと引き受けました。
枯れるはずだったイロハモミジが、かわいい苔玉として育っていくのはうれしいですね」。
冷茶と季節の和菓子の接待に、参加者は大喜び。
最後は座敷でお茶をいただいて、参加者は一足早い七夕の風情を存分に楽しんだ。 (堀)
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