こうべ花の名所50選のひとつとして、カキツバタで有名な吉祥山多聞寺。
その多聞寺で9月初旬から、本堂へと続く階段の工事が行われている。
施工に携わっているのは、穴太衆(あのうしゅう)という石積みの専門家。
近江国滋賀郡坂本穴太町(現大津市)の石工集団として、「穴太積み」で有名、
戦国時代などの日本の名城の石垣を作ったということで、
最近テレビなどのメディアで取り上げられることも多い。
階段の一段ごとにいくつかの石を横に平らかに並べ、その上に石を重ねて段を作っていく。
石段の上部は石の面をほとんど加工なしに使っており、階段部分に使用している約120個の石の、
幅、色、形などが単調にならないよう、それでいて見目がいいように、
組み合わせていくのが長年の技術だとか。
きれいに石が揃った手積みの階段
時間と労力がかかるので最近ではなかなか見ることができない
また階段左右の石垣は、穴太の技術を生かした石積みで、建設途中の今でも
完成時を想像できるくらいの迫力。
大きな石を堅牢に組んでいく
これほど大きな石はどこから持ってくるのか気になるところだが、
実はこれらの石は、すべて多聞寺現住職が、長年かけて集めたものだそう。
「将来はお城のようにぐるっと石垣ができるかも」と工事に携わる井口さん。
石積みに魅了された現住職が8年前に心字池の護岸の石積みを依頼したのがきっかけで
心字池の石積み
今回の工事となったが、これほど贅沢に組まれた階段は
他ではなかなか見ることができない貴重なものという。
「日本の伝統として継承していきたい」と、母方が穴太の血筋という清水さん。
「私たちの組んだ石が、後世にずっと残っていくのがこの仕事のやりがいです」。
年内に工事は終了予定。
新年には素晴らしい石組みの階段が、初詣の参拝者にお目見えすることだろう。
吉祥山多聞寺・・・ 〒655-0007 兵庫県神戸市垂水区多聞台2-2-75
(2015年12月) (堀)
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