17日(水)、旧武藤邸で、フランス菓子店「butterflyeffect(バタフライエフェクト)」オーナーパティシエの砂崎康弘氏による、
講演が行われた。
「フランス菓子の歳時記」と題し、フランスのそれぞれの地方の特色を活かした、素朴なお菓子を紹介、
その由来や製造方法など、砂崎さん自身がフランスで修業した時の経験も交え、丁寧に解説がなされた。
フランスの地方ごとにそれぞれのお菓子が。
フルーツや、牛乳・塩といったその地方の特産品を生かし、さまざまな風習や祝祭、宗教が起源となり、
その風土が作り上げてきた、フランスの伝統菓子。
日本で作られている同じ名前の菓子との違いなど、参加者は驚きの連続だった。
「丁寧に時間をかけて、本物の材料で作り上げたからといって、おいしい、とは別」と砂崎さん。
「現在の、業者が作る材料をそのまま使って、手軽に作られたものの方がおいしいことも」。
アーモンドやクルミも、作られる国によって、味に大きな違いがあるが、
「味が良いから、と本来のものを使うと採算が取れない」。
スペイン産のアーモンドはふっくらしていて、風味がいい。
またフルーツなども、本来は旬のものを使い、その方がおいしいが、
イチゴのケーキやクリの菓子モンブランなど、年中あって当然という、現状を憂う一面も。
店では寡黙な砂崎さんが、ときには本音をのぞかせながら語る話は、
参加していた「バタフライエフェクト」ファンだけでなく、多くの参加者の琴線にふれ、
「お店に行ってみたい!!」という声が続出。
トークのあとは場所を、管理棟2階に移し、砂崎さんがあらかじめ店で焼いてきた菓子の振舞いが。
ガレットデロアを切り分ける手際に皆が注目!
日本でこの大きさは稀、という新年の菓子「ガレットデロア」と、
それぞれの模様も伝統
「とよみつひめのタルト」として、今のこの時期だけ同店の店頭に並ぶイチジクのタルトの2品。
「ガレットデロア」の中には、フォーチュンクッキーのように、小さな陶器の「王様の印」が入っていて、
それを引き当てた者は、1年間その家庭で王様になれるそう。
今回、参加者の中で何人か、その幸運を引き当て、大喜びだった。
「あ、何か入ってる!」
「こだわりという言葉は好きではない、普通のことをしているだけ」と砂崎さん。
本来の手間がかかる伝統の作り方がおいしい、ということではない、と聞いていた参加者も、
「すごくおいしい」「参加して良かった!」と、本物のケーキの味に大満足だった。 (堀)
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