子どもから高齢者まで、多世代の身体作り・地域スポーツの普及と促進活動に取り込む、
「一般社団法人 しんしんスポーツ・KOBE」。
「しんしん」の名は、代表の神森(かみもり)さんから。
心身、新進、などポジティブな言葉にも変換でき、こころとからだの健康的なイメージを表現している。
代表の神森美佐代さんは、中学、高校、大学と陸上競技で活躍、インターカレッジや日本選手権など数々の大会に出場、優勝経験も多いが、その裏で絶えず怪我などのアクシデントと向き合ってきた。
大学卒業後は保健体育講師として数々の学校で経験する傍ら競技を続けたが、大怪我により断念、リハビリ後は子どもたちの運動教室を始めることに。
また神森さんは家庭的な事情で、子供の頃は金銭的にずいぶん苦労もしてきた。
「考えたら、子供の頃に地域の人たちがスポーツ活動に参加させてくれたことなどが、今の私につながっています。でも最近そういう地域活動が減っているのが気になったのです」。
低価格で、保護者同伴でなくても参加できる、用具負担もできるだけなくして、誰でもが通えるところに。いたるところに、神森さんのこれまでの経験が生きている。
「走・跳・投を身につけたら、どんなスポーツにも応用がききます」。
幼児から中学生までの走・跳・投の基本、身体づくりを促進する陸上クラブをはじめ、
現在では、ゆるラン＆ウォーク、
おとなのトレーニング教室、
発達障がい児を持つ親のコミュニティcafeや、
その他、さまざまなイベントの企画・講師派遣など、活動は多岐に及ぶ。
なかでも2020年のコロナ禍で、陸上クラブも高齢者施設での運動講師もできなくなり、
学校閉鎖のなかで、陸上クラブの子どもたち向けにzoomで運動教室を行う活動から、市のwithコロナ応援プロジェクトに提案し、高齢者施設に繋げないかを考案。
その取り組みを広げるために2022年春からコープと共同「しんしんオンライン健康体操」を開始した。
みんなと一緒にオンライン映像で受けることができ、遠い会場に出かけなくてもコープでの買い物のついでに参加できる。
無料で、参加も自由。
地域の交流の場として、居場所として、多くの人たちが心身ともに健やかに過ごせる場となっている。
「私も地域の人たちによって育てられました。皆で集い、一緒に活動できるこのような場所をどんどん増やしていきたい」。
神森さんのはきはきした声が流れてくる映像で、参加者はからだを思いっきり動かし、
そしてこころは軽やかに、みなの笑顔が広がる場になっている。
（2024年10月現在） （堀）
