手作り作品を通じて、いろいろな人と楽しい交流を~にじのえき 隅田知子さん~星陵台

レジンで作った時計を持つ隅田さん

福祉関係の仕事に就いていた隅田知子さん。
好きな仕事として10年以上勤めたが、体調を崩しやむなく退職に。
一時は車いすのお世話になるほどで、その後も三宮などに一人で出るのが怖かったという。
「引きこもりってこんな感じでなっていくのか」と不安を覚えた。

それを破るきっかけになったのは、ひとつのテレビ番組。
簡単にできる手作りの特集をしていたのを見て、

「これなら私にもできそう」。

まずは番組で紹介されていた、透明な樹脂を使って、それに着色をしたりチャームなどを入れて固め、雑貨などを作る、100円ショップで簡単に材料が手に入るレジンにチャレンジ。
すぐに、ちゃんと習いたいと思うようになり、レジンやデコパージュの教室に通い始めた。
作れば作るほど奥が深く、講師に習いながらも、自分の流儀も入れ始めた。
 

気づけば、教わる方から、教える方に。
いろいろなところでワークショップをしたり、販売などのイベントに参加するように。
「はじめは主人に手伝ってもらっていましたが、おかげで一人でイベント会場に行けるようになりました」。
いつの間にか、体の不調も回復し始めたことに気づいた。
 

柔らかで優しい雰囲気の隅田さんだが、本人曰く「口うるさい」、
レジンの使い方を間違えるとアレルギーを発症することもあり、基礎はしっかり覚えてもらうそうだ。
最近では以前のキャリアを生かして、福祉関係の作業所やケアハウスなどで、ワークショップのボランティアも始めた。

あるケアハウスでのワークショップ

「にじのえき」という名前は、
「人と人、モノとモノ、人とモノが集まり、交流するプラットホームのようなイメージで」つけた。
「にじも、あとで知人から、『多様性の象徴、LGBTの「レインボーフラッグ」に通じるね』といわれ、私の思いとぴったりなので驚きました」。
 

「将来は地域に貢献したい」と隅田さん。
福祉施設で働いていた経験から、利用者だけでなく、介護者や職員の気持ちにも沿うことができるのでは、と、ハンディキャップを持つ人へのワークショップなどもどんどん進めていきたいという。

(2019年12月)              (堀)

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