垂水区、須磨区、西区の境界付近に広がる、高塚山と長坂山ヒロコバの丘。
転法輪寺(名谷町)と、西区井川谷の太山寺を結ぶ参詣道上にあり、
以前からハイキングコースとして知られている。
北展望台からは西区の雌岡山・雄岡山(めっこうさん・おっこうさん)や西神中央・西神南が望める。
南展望台からは須磨連山、紀伊半島、淡路島、そして明石海峡大橋のビューポイントでもある。
コナラやアラカシなどの広葉樹林が広がり、
一歩踏み込めば、街の真ん中にあるとは思えない、
緑豊かな自然の宝庫。
だが最近、まわりを囲むニュータウン開発の陰で、
人の手も入らず、危険個所も増え、山は荒れていた。
健康のために町歩きを始めた内藤富夫さんは、
単調な町中より、景色を楽しむために近くの高塚山を歩くように。
会長の内藤さん。
「荒れた山を見て、歩くだけではなくいい環境に戻したい」。
そこで2008年、24人の有志により、「高塚山を歩こう会」を結成、
山道の整備や間伐などを行った。
間伐材でベンチを作るなど、環境に優しい取り組みが。
2年後に「神戸学園都市高塚山を愛する会」に改名、
自然とのふれあい、地域住民の憩い、健康作りなど、活動の輪を広げた。
ハイキングコースの案内板、木には名札、方向のしるべなど、皆手作り。
現在ハイキングコースの整備や、
専門家の意見を参考にしながらの森づくり、
小学生向けの環境体験学習をはじめ、
森のインストラクターから学ぶ自然観察会や、
高校生ブラスバンドの演奏会「森のコンサート」など多彩な活動を行う。
さまざまな活動を行っている。
「ここは江戸時代の終わり、慶応3年に作られた『徳川道』の一部でもあります」と内藤さん。
徳川道は神戸港開港に伴う、外国水兵と日本藩士の衝突を避けるため、
う回路として作られたが、一度も使用されないままに。
「幻の徳川道」として、神戸の歴史の1ページとなったそう。
西入り口は商業施設の横、南は転法輪寺へ、
そして北入り口は太山寺。
春のサクラ、秋の紅葉はもとより、
高塚竜神社、高塚山古墳群など、古墳時代からの歴史も。
高塚竜神社。円墳の上にある。
高塚山という名も「塚」が多いところからついた。
「町から10分もあれば、自然の中で気軽に散策ができますよ」
そう言いながらも、落ちている枝を拾い、整備には余念のない内藤さん。
同会の人たちの手によって、日々終わることのない整備が続く。
(2014年12月) (堀)
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