2月27日に始まった垂水のイカナゴ漁も今日3月21日が最終日。
今日はさかな屋の店頭でキロ400円と、なんと20年前の価格。
この1週間もキロ600円くらいで、たくさん炊く人にとって今年は嬉しい値段だった。
(今日炊いたイカナゴ、ちょうどいい大きさ)
イオン垂水店も春分の日の昨日は398円と、前日の498円から100円もダウンした。
ちなみに本日も398円。
なぜ垂水産のイカナゴにこだわるのか・・・
それはできるだけ新しいイカナゴで炊いた方が、きれいに炊きあがるからだ。
漁港に揚がって、すぐ持ち帰り、店頭に並ぶ垂水の魚屋は、新鮮さが売りだ。
昔は買ったらタクシーで帰る、さかな屋さんに来たらすぐ配達してもらう、量を買っても重ねて持ち帰らない、などということが常識だった。
イワシでもちょっと古くなれば腹切れを起こすが、イカナゴはそれより小さくて傷みやすい。
また夜明け前に獲れたイカナゴは、まだえさを食べていないので味良く炊けるということで、店に1番に入荷するイカナゴしか炊かない人もいるくらいだ。
小さいイカナゴが炊きにくいというのは、この新鮮さが失われるのが早いせいもある。
3センチ以上になった方が炊きやすく、炊きあがりもきれいし、イカナゴ本来の味と香りがあって、私は好きだ。
今日出会った西明石から来られたという婦人は、明石の魚の棚より垂水の方が安いと言っていた。
この数年で、明石のイカナゴは高くなった。
大阪や京都からも買いに来る人がいるから、観光化しているからなのか。
地元民をもっと大事にしてほしい。
垂水の値が安いのは、まちをあげてイカナゴの知名度アップを図っているので、漁協が頑張って協力してくれているのかもしれない。
私の妹は大阪内陸部の交野市に住んでいるが、生のイカナゴが店頭に並ぶそうである。
イカナゴの煮汁もペットボトルに入って売っているらしい。
10年前には岡山の友人も生イカナゴが入手できるようになったから自分で炊きたいとレシピを聞いてきた。
東京の親戚も姑の時代から、半世紀近くお礼状に「ちりめんじゃこのつくだ煮」と書いていたのを、この10年来、イカナゴと書いてくる。
以前はくぎ煮にしたイカナゴを冷凍保存し、それを解凍して販売していたが、何年か前に生のイカナゴを冷凍保存できる製法が編み出され、最近は1年中美味しいくぎ煮が味わえるようになった。
実はイカナゴは全国で獲れるそうだ。
ただ今まで魚の餌としての認識しかなく、食べようとしなかっただけである。
垂水の古老に聞くと、昔は(多分戦前)海辺から浜にかけてイカナゴで銀色に輝いており、砂浜にバケツを持っていって、すくい入れたそうである。
(郵便局でもらったシール。その年によって少しずつ違う)
今、各家庭はイカナゴ発送で大変だろう。
ざるは来年まで、しばしお役御免となる。
(2012年3月) (堀)
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